読み物
2020/11/07 12:17
日本の働く衣服である野良着をつくっているSAGYOから、冬支度のおすすめをお知らせする短期連載の最終第3回目です。SAGYOディレクター(助っ人的兼業農家)の伊藤洋志です。
もう11月も走り出しています。私も着々と冬支度をしております。
寒さへの備え〜おさらい
第三回、ついに新商品をご紹介できるのですが、今回もいきなり商品の紹介をするよりも、そもそも寒さに備えるとはどういうことか、というところから考えていきたいと思います。
これまで、急所を守れ、重ね着で温度調整をしよう、と防寒への考え方をお知らせしてまいりました。何事も加減が大事でして、防寒性能が高すぎるとちょっと動いただけで蒸れてしまいます。北海道など極寒地を除くと、日本は一日の中でも暑い時と寒い時が起きるので、適宜脱ぎ着して調節するのが吉なのであります。和服はもともと重ね着前提の衣類なので、その辺はもともと得意である、というのがこれまでの話でした。
発熱系素材には注意が必要と思います。
暖かけりゃいいと最近は発熱系素材とかもありますが、水分発熱系は要注意です。電車に遅れそうになって走ったとかで一時的に暑くなって汗をかいたところに暖房の効いた電車入ります。暖房空間にいる不要なタイミングで発熱し、さらに発熱が加速します。そうするとますます汗をかく。その後汗で体が冷えます。寒い時は無駄に汗をかいてはいけません。体力の消耗に関わりますゆえ、災害時(もしくは遭難時)には特に大事な観点です。
さすがに改良されてきてはいるとは思いますが、基本的な概念が作業向きではないと私は思います。
現代のソデナシ、ちゃんちゃんこ
それを踏まえて、ようやく紹介できるのが、SAGYOの新商品の、「そでなし」であります。これは脱ぎ着がしやすい。袖がない綿入りの胴着が昔からありまして、地方によって「ソデナシ」「ドギコ(青森県)」「ドンチン(新潟県)」と呼ばれていて、中には熊の毛皮を使ったものもあります。一番メジャーな呼び方はゲゲゲの鬼太郎で有名になった「ちゃんちゃんこ」でしょう(あれは霊毛で編んでいるそうです)。
さて、SAGYOのそでなしは、『インターネット時代のワークウェア』を提案するライフウェアブランドALLYOURSのお力を借りてつくりました。
これはですね、夏にSAGYOの型をつかったダボ長丈をALL YOURSさんの素材でつくる、という企画をしまして、冬も何かやりましょう、となったので思案しておりました。その中で綿入り素材のカーディガン「DEFENDER」に白羽の矢が当たりまして、このDEFENDERを袖なしにすれば、軽くて薄くて、蒸れにくい防寒ツールになるのでは!
ということで、SAGYO初のソデナシが出来上がった次第です。
袖がないと蒸れにくいし、腕まわりがもこもこすると動きにくくなるので、作業向きと思っております。表地は綿のような風合いのポリエステルを採用しております。汚れにくく丈夫です。一点、弱点は火の粉です。焚き火には気をつけてください。
発熱素材のタイミングのよしあし
もうSAGYOにおいては言うまでもないのですが、ポケットは前に3つ、後ろに2つと、防寒着と言いつつ実態はカバンではないかと思うほど十分に用意しております。
使い方としては、移動時には裏付ドンザや伊達羽織と合わせて、作業時は野良半天と合わせるのをお勧めしたいところです。何か火を使う際は、裏付きドンザで全身を覆ってしまうのがより安心です。
再生産はありません!生産数も多くないです。
AY-01 DEFENDER”そでなし” by ALLYOURS
<品質>
表地:ポリエステル100%(FAST PASS)裏地:ポリエステル100%(DEFENDER)
<素材について>
表地には速乾性、裏地には保温・発熱性のあるALLYOURSオリジナルの生地を使用しています。
<ケアについて>
自宅の洗濯機でお洗濯頂けます。
また、乾燥機や酸素系漂白剤の使用も可能です。
¥ 14,850
AY-01 DEFENDER”そでなし” by ALLYOURS
最後にようやくSAGYOの新製品のご紹介ができました。どうぞごひいきに!
SAGYO 伊藤洋志
こちらは夏の梅収穫の思い出、収穫作業は冬はしばらくお休みです。