読み物

2024/02/14 15:58





野良着の国内製造を地道に行うインディーズメーカーのSAGYOが、各地のこれまた独立系の名店主にインタビューするシリーズ。

初回は2/17(土)から27(火)までSAGYOの試着販売会を開催される徳島市のnagaya.の吉田さんです。
SAGYOからメールインタビューを行いました。

名店主インタビューのみどころ

買い物は一目惚れもよいですが、SAGYOの野良着は、ファッションアイテムというより道具寄りですので、一度買えば長く生活をともにするものも多いかと思います。背景を知っていれば長く使えるものを選ぶ一助になるかもしれない、と不定期で販売会を主催される店主の方々にインタビューで色々お話を伺っていこうと思っています。というのもほとんどの販売会の主催者は個人経営のお店が多く、それぞれにお店をはじめるきっかけやお店の物件も様々で、ユーザーの皆さんにも参考になりそうな予感がするからです。自分が買った品物の由来を友人知人にさらっと背景をおしゃべりできたら豊かなことではあるまいか、とも考えております。

ではご覧ください!
____________________________________________________________________


徳島市「うつわと暮らしのもの nagaya.」吉田さんメールインタビュー(2024.02.11)

Q:まず、SAGYOを取り扱うことにしたきっかけとその理由や想い(共感したポイントなど)を教えてください!
吉田さん:個人的にファッションが大好きで過去スニーカーメーカーで企画デザイン職だった時期もあります。その時からファッション業界の独特な流れの速さや、型落ちは容赦無くセールになってしまうことに違和感を覚えていました。SAGYOの野良着は、定番のものを長く作っていく、かつ作業をした中でフィードバックして更に改良していくというコンセプトに、服はファッションというより暮らしの道具なんだよなと改めて認識し共感しました。
SAGYOのプロジェクトメンバーの一人の伊藤洋志さんが、2016年に徳島県の勝浦町で古民家の床はりのワークショップ(注.1)をするのに合わせて、販売会を初めてお願いしました。思い返せばもう8年も前なんですね! (注.1…SAGYOディレクターの伊藤は、遊撃農家という農家業や全国床張り協会、ブロック塀ハンマー解体協会などDIYワークショップの講師も生業にしていてSAGYOの試作品はその現場でテストされています) Q:これまでに3回販売会を開催されていますね。お客さんの反応はいかがですか? 吉田さん:2016年の初回から、2018年、2021年と販売会を実施しています。SAGYOのコンセプトに共感したお客様が多く、nagaya.の店柄だと、普段はあまりいらっしゃらない男性のお客様も多く、ご夫婦で共用するという方もいます。
徳島では実際に農業や林業の作業の時に使っている方もいて、特に「モンペひらく」は気に入って繰り返し購入してくださっている印象があります。あと藍染関係の方も多く見に来てくださいました。 Q:ご自身が着用してみての感想と、気に入っているアイテムがあれば教えてください。 吉田さん:「モンペまくる」です。選んだのは単純にデザインが好きだったからなのですが、トイレに行く時、裾を気にせずにいられるので、やっぱり便利です。
最近気に入っているのは、「貫頭衣」の黒。生地がふわっとしているので重ね着したら年中着れます。大きいポケットが携帯も入るし良いです。
冬に欠かせないのは「マグロ漁船の靴下」。店が土間づくりで下から冷えてくるので、重宝します。底の滑り止めがペタペタフローリングにくっつくくらいの強度で、部屋で履いても安心。店でもSAGYOの一番の人気アイテムです。 Q:衣類全体についてについて思うところがあれば教えてください。 個人的なところから言うと、年をとってくると、気に入ったものをずっと着たい、でも同じものがもう売ってない、、ということも増えてきました。少し着てみて、これは着心地いいなと思ったら定番ではないもので価格が高くないなら数着買うようにしています。また、安価で見栄えがいいお洋服が簡単に手に入るようになりましたが、結局そこそこの値段で買ったものの方が着心地や縫製がよく、生地のへたりも少ないので、長く使えています。コートやウール製品、靴などは特にそう思います。

輸入のコストを考えると、同じ値段なら日本製で選んだ方がいいものが買えるなとも思います。
nagaya.ではSAGYOの野良着や、ヂェン先生(注.2)の日常着のようなずっと定番で同じアイテムを展開しているブランドをご紹介しています。気に入って長く使えるものを、それぞれの方に見つけていって欲しいと思います。 (注.2…台湾で縫製、染色を一貫生産で行う工房を主宰) Q.SAGYOへの今後の期待がありましたら! 少人数で運営されているので大変かと思いますが、長く続けて行ってほしいです。パンツ類で洗濯で乾きやすい素材があるといいなと思います。 ===SAGYO徳島販売会=== 会期:2/17(土)-27(火) 期間中2/22(木)のみお休み。23(金祝)はオープン 会場:徳島県徳島市沖浜町大木247番地 主催:うつわと暮らしのもの nagaya. @nagaya.tokushima (SAGYOディレクター伊藤から一言)
nagaya.はかつてトタンの二軒長屋群をお店や事務所にリノベーションするnagaya.projectの中心になるお店です。平屋の賃貸住宅群はわたくしの地元香川県にもよくあって家と家の間がちょっとした菜園になっていたり、いま思うとゆとりのある建物と土地の使い方だなと思ったりして、面白い物件だと感じている次第です。行かれる際は、長屋の雰囲気もぜひ見てみてください。

(他のインタビューもあります)
名店主インタビュー愛知県豊田市 北小田の家(アラカワマウンテンズ)さん
名店主インタビュー鹿児島県霧島市 こまもの屋沖玉さん